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天然の冷却装置(2010.8.17) [5.緑の基本計画と湧水・地下水保全条例]

(2010.8.17記)

今日はこの夏一番の暑さになるのだとか。
昼過ぎ、湧水観測に出かけてから夕食の買出しにまわり、今、家に帰りつきましたが、まるでフライパンの上にのせられたような”熱さ”でした。
府中アメダスによると、午後1時代で気温は37度を超えた模様。

3年前2007年の8月16日は、熊谷市と多治見市で日本最高気温の40.9度を記録した日。
熊谷はもともと、山から吹き下りてくる風が乾燥して気温があがるフェ-ン現象がおきやすい地形の上に、大都市東京のヒ-トアイランド現象で熱せられた上昇気流が熊谷で下降する現象が加わって、尋常ではない暑さになるのだとか。多治見も大都市名古屋との関係で、同じことが起きるのだそうです。

昨日も35度を超える猛暑でした。昨夜は寝たのが日付がかわった深夜2時ごろになってしまいましたが、真夜中の2時になんと蝉が盛大に鳴いていて驚きました。
蝉って夜中に鳴きましたっけ?日中あまりにも暑いため、少しは涼しい夜中に鳴くのでしょうか?それとも、夜中になっても暑いため、昼間と同じように鳴き続けるのでしょうか?

そうそう、暑いと言えばパソコンが最近、どうも異常にノロノロしています。
暑いとパソコンもノロノロするのだろうか、まさかね・・・、と思っていたら、本当にパソコンは暑いとノロノロする、つまり演算時間が長くなるのだそうです。
いやあ、この夏は、ウチのパソコン、本当にのろいんです。

パソコンって、気温が低ければ低いほど演算時間が短くなるのですって。だから、絶対零度(マイナス200何十度だかの)だと、ものすごく速いのだとか。
そのうち、冷蔵庫付きパソコンが出てくるだろうなんて、昨日、テレビで言っていました。
もっとも、うちのパソコンは真冬も調子悪いんですけど・・・。

「冷却」というと冷蔵庫とかエアコンとかの機械を思い浮かべますが、実は水と土こそが、動力を使わない天然の冷却装置だということが忘れられがちです。
炎天下でも、ただの土の庭や畑がアスファルトの上よりずっと涼しいのは、土から水分が蒸発するときに気化熱を奪って行くから。
同じ土でも、水がしみこまないほどカチンカチンに硬くなった土はアスファルトとさほどかわらないようです。
畑やよく手入れされた庭のふわふわした土が大事。

地球温暖化とCO2との関係のことばかりが注目されるけれど、ヒートアイランド現象は、都市がコンクリートやアスファルトでおおわれて、地中に雨がしみ込む面積が減ったことと、土から水分が蒸発する面積が減ったことが大元の原因です。
つまり、正常な水循環のサイクルが途切れることによって、天然の冷却装置が壊れた状態になっていることが問題なのです。
天然の冷却装置が壊れているため、真夏はクーラーに頼らざるをえず、室外機から噴出する熱風でますます外気温が上昇し、消費電力が激増することでCO2の排出量も増加するという悪循環。

この悪循環を根本的に断ち切るカギは地下水の涵養です。
そのために雨水浸透施設の設置はたしかに有効ですが、浸透枡によって雨水を強制的に地下に浸透させても、地中に保水された水分が蒸発する面積がどんどん減っているのでは、ヒートアイランド現象は改善されないのです。真夏に大気を自然の力で冷却するために大事なのは、コンクリートやアスファルトで覆われた「被覆率」を下げること、つまり、土が出ている面積を増やすこと、そして、土の保水効果を挙げるための緑を増やすことです。

同時に、かつては市域を縦横無尽に走っていた用水を可能な限り復元させること。用水は、地中に水が染み込む装置であるとともに、用水自体が大気の冷却装置になっています。

地下水や湧水や用水が大事なのは、土というラジエーターに水が接する重要な装置だからです。もちろん、地下水は国分寺市においては水道水に利用される飲み水でもあり、井戸や湧水や用水は防災上も重要であり、水に親しむ希少な場として重要であることは言うまでもありませんが、天然の冷却装置として位置づけることも重要です。
国分寺市では、せっかく湧水・地下水保全条例が作られようとしていますが、地下水や湧水を水循環の一部として、つまり、都市を冷却する装置の心臓部として捉える視点が抜けているようです。
理念条例なのですから、こういうことをしっかり書き込んでもらいたいものです。

(2010.8.17記)
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