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国分寺式「PDCAサイクル」(2010.8.26) [5.緑の基本計画と湧水・地下水保全条例]

(2010.8.26記)
8/23の国分寺市緑の基本計画見直し等検討協議会傍聴記の続きです。

湧水と地下水の保全に関する検討事項について市長が諮問を行う附属機関の構成員を「識見を有する者」だけに限定し、結果、市民の意見を聞かずに施策を決定できてしまう、まさに「すり抜けの仕組み」が作られようとしていることがわかり、仰天。
傍聴席からはモノが言えないので、パブリックコメントで言うしかありませんが、私たちにとって待望の湧水・地下水保全条例は、蓋をあけれてみれば、ある種の隠れ蓑として策定される感が否めません。

一方の緑の基本計画は非常に膨大なもので、傍聴用資料は会議が終われば回収されてしまうので、なかなか全容がつかめませんが、これは基本計画であるので、目標としてかかげられたものについては、たしかにそのとおりというものが多く、検討協議会の委員さんが細かいところまで丁寧に検討してきてくれたおかげで、かなり良くなっているように思えます。

基本計画の中身が生きるかどうか、肝心なのは実施計画でしょう。
それは、基本計画の中にもうたわれており、手元の資料には、こんな風に書いてあります。

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計画の進行管理
緑と水の将来像「(中略)」の実現に向けて、今後、本計画に即して個別施策を実施していきますが、(中略)確保目標の達成状況や個別施策の進捗状況について、市民、事業者等、市の三者が定期的に点検・評価し、適宜計画を見直していくことが重要です。
このため、本計画に位置づけられた個別施策の実施時期や目標を示した「国分寺市緑の実施計画」を策定し、計画(Plan)-実施(Do)-点検・評価(Check)-見直し(Actionn)を行う「PDCAサイクル」により計画の進行管理を行います。
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ほう!国分寺でも「PDCAサイクル」ですか!

「PDCAサイクル」というのは、事業活動における管理業務を円滑に進める手法の一つ。
Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4 段階を順番に行って1周したら、最後のActを次のPDCAサイクルにつなげ、螺旋を描くように1周ごとにサイクルを向上(スパイラルアップ)させて、継続的に業務改善する、という手法のこと。
特に新しい考え方というわけではなく、提唱されたのは1950年代だといいますが、典型的なマネジメントサイクルなので応用範囲が広く、さまざまなマネジメントに活用されています。
たとえば、受験勉強の進行管理なんかにも応用ができます。
ものごとを計画的に進めて効果をあげるための手順として、きわめてオ-ソドックスな、いわば当たり前の手法です。
緑の実施計画の進行管理に、あらたにこれを取り入れるのだそうです。

今まではどうしていたのかと思いますが、この手順で行くことにしたのは結構なこと。

しかし、おや?

国分寺方式には、「計画(Plan)-実施(Do)-点検・評価(Check)-見直し(Action)」って書いてあるけど、
「Action」って、見直しっていう意味ですか?
しかも、「A:見直し」の説明のところに、「点検・評価の結果を踏まえ、計画の見直しを検討します」と書いてある。

え?「Action」って、「計画の見直しを検討」することなの?
はあ、たしかに「検討する」もアクションのひとつでしょうけど、前には進みませんわね。

「Action」って、実施した計画の進捗状況を評価し、うまくいっていないところを洗い出したら、「改善策を打ち出し、それを実行する」っていうことじゃないの?
つまり「Action」「Act」とは「修正をして進める、必要な措置を講ずる」という意味。
国分寺方式にはこれが抜けていて、「Action」がお役所流に読み替えられているのです。

点検・評価の後、計画の見直しを検討して、また計画を作るのじゃ、同じところを堂々巡り。

サイクルが向上しない秘密はここにあったのかと、思わず、う~~んと唸りました。
この考え方だと、見直しと検討を永遠に繰り返すことができるんですね。

何も生み出さずに、わざわざ同じところを回り続けるマネジメントって、ある意味、凄い。

(2010.8.26記)

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